AGAは食生活と関係ないは本当?【現役薬剤師視点】で真実を徹底解説!

「AGAと食生活は本当に関係ないの?」

「食生活を改善すれば治ると思ってたのに意味ないの?」

「AGAの原因って結局何?」

実際に検索すると、「AGAは遺伝が原因だから、食事は関係ない」といった意見や、「育毛にはバランスの良い食事が大事」といった真逆の主張も多く、混乱している方も多いのではないでしょうか。

たしかに、AGAの直接的な原因はホルモン(DHT)と遺伝であり、食生活だけで脱毛が進行するということはありません。
しかし、食生活はAGAに一切関係ない」と断言してしまうのも、実は危険です。

AGA治療初心者の方が気になる「AGAと食生活の関係」について、調剤薬局の現場で7年働いているベテラン薬剤師の視点からわかりやすく解説します!

本記事で得られるポイント
  • なぜ「AGAは食生活と関係ない」と言われるのか
  • 本当に完全に無関係なのか
  • 予防・改善に役立つ食生活はあるのか

本記事の信頼性

執筆者は現役の薬剤師として、これまで数多くの患者さんのAGA治療をサポートしてきました。

専門的な知識と現場経験をもとに「AGA治療薬の主なリスクと注意点」を医療的な視点で正確にお伝えします。

AGA治療は正しい知識と信頼できる情報を得ると、ムダな時間や費用をかけずにスタートできます。

AGA治療を検討している方や、生活習慣の見直しで薄毛対策をしたい方にとって、有益な情報になるはずです。

目次

AGAと食生活は“直接的”には関係ないが、“間接的”には無関係ではない


AGAと食生活は、間接的には影響を及ぼす可能性があるというのが、医学的にもっとも正確な見解です。

▼AGAの直接的な原因はホルモンと遺伝

AGA(男性型脱毛症)は、以下の2つによって進行します。

AGAの直接的な原因
  • DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンの働き
  • そのホルモンに対して敏感な遺伝的体質(毛包の感受性)

これらは、食生活や生活習慣とは無関係に決まっている要素です。

どんなに健康的な食事をしていても、AGAになる人はなる
というのが事実です。

この点をもって、「AGAと食生活は関係ない」と言われることが多いのです。

生活習慣は“進行のスピード”に影響を与える

ただし、ここで注意すべきなのは、食生活などの生活習慣がAGAの進行に間接的な影響を与える可能性があるという点です。

AGAの間接的な原因の例
  • 皮脂の過剰分泌により頭皮環境が悪化する
  • 血流が悪くなり、毛根に栄養が届きにくくなる
  • ビタミンや亜鉛などの栄養素が不足して、髪の成長が妨げられる

上記の要因は、AGAそのものを引き起こすわけではないものの、脱毛のスピードを早めたり、治療効果を妨げたりする恐れがあります。

「関係ない」と切り捨てるのは危険

「AGAは食生活と直接関係ない」と言い切ってしまうと、
本来できるはずの予防や改善の努力を放棄してしまう可能性があります。

AGAの主因はホルモンと遺伝であり、食生活だけで治すのは非現実的ですが、食生活を整えることで進行を遅らせたり、治療効果を高めたりできることもまた事実です。

食習慣がAGAに間接的に与える影響とは?

「AGAは食習慣に関係ない」と言われる一方で、医師や研究者の多くは食習慣の乱れはAGAの進行リスクを高めると指摘しています。

ここでは、食習慣がAGAに“間接的”に与える3つの影響について詳しく解説します。

血流と栄養状態への影響

髪の毛を作り出す毛母細胞は、血液によって運ばれる栄養素をもとに成長しています。
血流が悪化すると、毛根に必要な栄養が届かなくなり、髪が細く弱くなりやすくなります。

頭皮の血流=髪の栄養供給ラインです。

血流を悪くする主な食習慣
脂質や塩分の過剰摂取

脂っこい食事や、塩分の多い食事を常習的に摂取していると、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)が増加します。

これが蓄積すると、動脈の内壁にができて血管が狭く硬くなり、動脈硬化が進行します。

頭皮には非常に細い毛細血管が張り巡らされていますが、動脈硬化が進むとこれらの末端血管まで血液が届かなくなり、毛根が慢性的な栄養不足に陥る恐れがあります。

糖質の過剰摂取

お菓子、清涼飲料水、白米やパンの食べ過ぎといった糖質中心の食生活は、急激な血糖値の上昇を引き起こします。

血糖値スパイクが繰り返されると、体内で糖化反応が進行し、AGEs(終末糖化産物)という血管を老化させる物質が蓄積していきます。

水分不足

慢性的な軽度の脱水状態は、血液の粘性を高めて血流を悪化させます。

ドロドロ血液は流れが遅くなり、特に末端の毛細血管にまで酸素や栄養が届きにくくなるという大きな問題があります。

この状態が続くと、頭皮の新陳代謝が低下し、髪の成長サイクル(毛周期)も乱れていきます。

食生活によって血流が悪化すれば、髪を育てるための環境(土台)が崩れます。
食生活 は関係ないと切り捨てず、見直しが重要になります。

ビタミン・ミネラル不足

「AGAはホルモンの問題」と言っても、髪の毛そのものの材料が不足していては、健康な発毛は実現できません。

特に以下の栄養素は、薄毛・抜け毛予防に欠かせない重要な栄養素です。

栄養素主な働き多く含まれる食品
亜鉛髪の主成分であるケラチンの合成に必要牡蠣、レバー、卵、納豆
ビタミンB群皮膚や粘膜の健康維持、代謝促進豚肉、魚、緑黄色野菜
鉄分酸素を髪の細胞に届けるレバー、小松菜、ひじき
タンパク質髪そのものの材料鶏むね肉、大豆、魚介類

上記の栄養素が慢性的に不足した場合、AGAとは別の「栄養性脱毛(休止期脱毛症)」のリスクも高まります。栄養性脱毛は下記のような症状が特徴です。

栄養性脱毛(休止期脱毛症)の症状
  • 髪が全体的に細くなる
  • 抜け毛が急に増える
  • 頭皮が脂っぽい・または乾燥しすぎている

AGA治療をしているにも関わらず効果が実感できない場合、栄養不足が原因となっているケースもあるため注意が必要です。

薬剤師が勧めるAGA対策としての食生活

「食生活はAGAと関係ない」と言われがちですが、実際には多くの皮膚科医や専門クリニックが栄養と薄毛の関係性を認めており、食事改善を推奨しています。

ここでは、AGA治療中または予防中の方が意識したい食習慣を具体的に紹介します。


抜け毛・薄毛を予防する育毛食

AGAの進行を抑えるには、頭皮環境の安定と毛母細胞の活性化が鍵です。以下のような食材は、発毛をサポートする栄養素を豊富に含んでいます。

分類主な働き代表的な食材
良質なタンパク質髪の主成分ケラチンの材料になる鶏むね肉、卵、大豆製品、魚
ビタミン・ミネラル新陳代謝を促し、毛根の活動を助ける緑黄色野菜、レバー、納豆、小松菜、ひじき
血流を良くする食材毛根に酸素・栄養を届けやすくする青魚(EPA・DHA)、玉ねぎ、生姜、緑茶
抗酸化作用のある食品頭皮の老化・炎症を防ぐトマト、アボカド、ナッツ類、緑茶、ブルーベリー

逆に避けたい「抜け毛リスクを高める食事」

以下のような食品や食習慣は、AGAの進行を間接的に後押しする可能性があります。

食習慣・食品リスク
揚げ物・脂っこい料理皮脂の過剰分泌 → 毛穴の詰まり・頭皮炎症
菓子・ジュースなどの糖質過多血糖値スパイク → 血管劣化・頭皮老化
塩分の多い加工食品高血圧 → 頭皮の毛細血管が圧迫される
アルコールの過剰摂取肝機能低下 → 栄養代謝が乱れる

※これらを完全に禁止する必要はありませんが、「頻度と量を意識する」ことが非常に大切です。


薬剤師が推奨する理想的な1日の食事例

AGAの進行を抑えるには、ホルモン治療だけでなく、日常の食事を「育毛を促す形」に整えることが極めて重要です。
以下は、推奨する、AGA対策を意識した1日の食事モデルです。

時間帯食事例ポイント
朝食納豆ご飯、味噌汁、ゆで卵、緑茶・納豆と卵で亜鉛+タンパク質を同時に補給
・味噌汁の発酵成分が腸内環境改善&免疫サポート
・緑茶には抗酸化作用があり、細胞老化の抑制にも効果的
昼食鶏むね肉のグリル、サラダ、玄米・鶏むね肉は高タンパク低脂質で、ケラチン合成に最適
・サラダにアボカドやブロッコリーを加えると、ビタミンEや抗酸化成分も強化
・玄米で血糖値の急上昇を抑え、血管ダメージを防止
間食ナッツ、ゆで卵、ヨーグルト・ナッツに含まれるビタミンEと良質な脂質が頭皮環境に◎
・ヨーグルトで腸内環境を整え、栄養吸収率アップ
・ゆで卵で手軽にタンパク質とビオチン(ビタミンB7)を補給
夕食サバの味噌煮、小松菜のおひたし、豆腐・サバにはDHA・EPA(オメガ3系脂肪酸)が豊富 → 血液サラサラ&抗炎症
・小松菜は鉄分・カルシウム・ビタミンCが同時に摂れる万能野菜
・豆腐で植物性タンパク質+イソフラボンを補給 → ホルモンバランスを調整

AGA治療+栄養管理が最強タッグ

AGA治療薬(フィナステリド・ミノキシジルなど)はホルモンに直接アプローチしますが、「治療効果を最大限に引き出す」ためには、体の内側からの栄養補給も欠かせません

「食生活は関係ない」と思って放置するのではなく、AGAの進行スピードを抑え、再発を防ぐ土台作りとして、日々の食事を見直すことが極めて重要です。

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